半襟付けの秘策

お出かけに思いを馳せながら半襟をつけるのが楽しみという優雅な方はともかく、多くの方は半襟つけが億劫で着物から遠ざかっている人は結構いるのではないかしらと思います。かくいう私もその一人でした。...この針に出会うまでは。

「金亀糸業 手作り万年針 きぬえりしめ」

いままでは、半襟、襟芯、長襦袢と幾重もの布に針を通そうとすると、時には針が曲がったり、折れたり、時には指に針を刺して血で半襟を汚しそうになったり...と格闘していました。万年針きぬえりしめは糸を通すところがとても小さくできています。糸を通すのがちょっと大変ですが、糸通しの頭の部分が襟芯や長襦袢にひっかからないので、指貫を使わなくてもスムーズに縫うことができます。半襟つけの時間が大幅に短縮しました。

私だけが半襟つけに苦労しているのかと思っていたのですが、今日お稽古で他の方がやはり四苦八苦しながら半襟をつけているのを見てこの針を貸して差し上げたら、スイスイと一気に仕上げていました。

ぜひ一度お試しあれ。

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浴衣あれこれ

葉月笙子先生についてきもの文化について習っています。先生曰く、「浴衣をクリーニングに出すのはみっともない」のだそうです。きものの類は何でもクリーニングへ出しちゃえばいいと思っていたのでちょっと驚きです。浴衣は肌着のようだから、何でも外へ出すのはみっともないということなのでしょう。先生がお若い頃の時代の、浴衣の始末について教えていただきました。

  • 毎年5月ごろ、お母様が家族全員の浴衣を新調される。
  • 水を張ったたらいに浴衣地を数時間つけて縮ませる。
  • 縮んだ浴衣地をピンと張って乾かす。
  • 乾いた浴衣地にアイロンをかけ、裁断する。
  • 高校生ぐらいからは自分で浴衣を縫わされる。(先生は脇などはこっそりミシンで縫っていたそうですが、全部手で縫うようにと叱られたそうです)
  • 浴衣は毎年新調し、古くなったものは、寝巻き、解いてオムツに、縫って雑巾に...となったそうです。近所に妊婦さんがいると、オムツ用に寝巻きをくださいとタダでもらいにくるような時代だったそうです。他所のお宅に何かをもらいにいくなんて現代ではちょっと考えられませんが、使用済みの浴衣の行く末は雑巾だからあまり価値がなかったのかもしれませんね。

浴衣の洗濯の仕方

  1. 洗濯をしたときに襟がゴワゴワしてしまわないよう、襟の部分を簡単にしつけ縫いをする。
  2. 浴衣を畳んでネットに入れ洗濯をする。
  3. 洗面器やタライに水を張り、糊やご飯の残りを晒しに包んで水に溶き、浴衣を浸けて糊付けする。
  4. 畳んでネットに入れるか、タオルにくるむなどして脱水する。
  5. 物干し竿に浴衣を通し、両手でパンパンと叩いて小じわを伸ばしながら形を整え、日陰に干す。(日なただと日焼します)
  6. 乾いたら生地の裏側からスチームアイロンをかけ、畳む。

先生のお宅に昔下宿していた学生さんは、夏のアルバイトで3枚の浴衣を毎日着まわしていたら夏の間にすっかり浴衣の洗濯が上手になったそうです。

大人の浴衣
竺仙(ちくせん)」の伝統的な柄ゆきは大人の女っぼくしっとり艶っぽく着たいです。藤娘きぬたやの絞りの浴衣はゴージャスで大胆な柄ゆき。糸の番手が細いので軽く、ふわっと柔らかい感じがします。

きもののあれやこれやを身に付けるのは大変だけれど、浴衣ぐらいマスターして生活に取り入れてみたいなぁと思っています。去年、一昨年と浴衣を新調したのですが、まだ袖を通していません。今年は思い切って、週末の夜ぐらいはいつも浴衣で過してみようかなと考えています。

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七五三の着物を誂える

Kimono_1 2歳になったばかりの娘に、七五三の着物を作りました。最近は満3歳でお祝いする家庭も多いようですが、娘は早生まれなので満3歳の11月には実際は4歳近くになっています。まだ幼子の面影が残るあどけないところを写真に残したくて数えで今年お祝いすることにしました。袷の着物は仕立てた後しばらくそのまま置いておかないと、表地と裏地がしっくり馴染まずボワボワした感じになってしまいますので今年に入ってすぐに準備をはじめました。

着物地では重たくてかわいそうなので、家に仕立てずにあった私の襦袢の生地を使いました。臙脂の生地にお正月の宝尽くしの柄で、京の紫織庵のものです。小さな子には地味かなぁと思ったのですが、黄色い比翼を重ね着すると小さな柄が子供の大きさにちょうど良くとてもかわいい着物が出来上がりました。

11月に下ろす予定だったのですが、きものの先生のパーティーが3月にあったのでその際にゲストとして着ていくことになりました。まだ2歳の子供ですから途中で嫌がったら大変とパーティーの一週間前から機嫌の良いときを見計らって足袋に馴染ませ、きものの重さに慣れさせ、草履で散歩をして...と慎重に準備を進めました。その甲斐あってか、絹の艶々した肌触りが気持ちいいのでしょうか、娘はパーティーの当日は午前中から夕方まで、ずっときものでご機嫌でした。

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卒業式の袴の装い

敢えて堅苦しいことを言うのであれば卒業式で袴を履くのであれば、色無地にし、裾は草履が隠れるよう長めにというのが正装です。そんなことを言っている私も十年以上前の卒業式で袴を履きました。みんな華やかそうだから敢えて地味な深緑色の色無地に、海老茶の袴に編み上げブーツでした。

学生に人気の矢羽のお召しに袴にブーツというハイカラさんのような格好は、実はとてもカジュアルな通学服。 一部の女子大学では卒業式に矢羽の柄の着物の着用を禁止したところもあるそうです

袴はレンタルでも、着物は色無地を用意してみてはどうでしょう? 華やかな色の色無地を作り、染め抜きの紋、少し長めのお袖にいろいろな変わり帯を締めてあげたらとてもかわいらしいです。しっかりとした生地でしたら将来上から色をかけて地味な色目にして着続けることができます。

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喪の装い

洋装の喪服といえば、黒いドレスですが、和装の場合黒は身内が着用する色です。身内以外は黒以外の地味な色の喪服を着用します。黒紋付(いわゆる黒喪服)は色無地の一種です。私も20代の初めに購入した洋服の喪服がそろそろ時代遅れなデザインになってきていわゆるオバサンの喪服になりつつあります。シンプルな洋装にヴェール付きのトーク帽に手袋というスタイルだったのだけれど30代後半という年齢に差しかかったせいか最近はどうもしっくり来ないのでそろそろ着物にしようかなぁと考えています。

喪服の準備
身近な人の具合が悪くなってから喪服を用意するのは何かと気が引けますので、子供が成人するときに大人になる支度として黒紋付を用意してやるといいでしょう。家紋は誰がお金を出したかの証のようなものですが、実家の紋で構いません。季節により、袷、単(5-6月、9-10月)、絽(7-8月)と揃えます。

喪服
身内の正装は5つ紋のついた黒紋付です。仕立ては色無地に倣います。身内以外の人は色無地や地味な小紋を着用します。

喪帯
身内は黒の喪帯です。通夜や法事にはグレーや地味な色の色喪帯を締めます。

喪服の小物とコート

  • 草履は黒です。
  • 帯締め、帯揚げは黒またはグレーをします。
  • 裾よけや襦袢といった肌着や、腰紐、帯板、お太鼓などの小物は白で揃えます。
  • 葬式用のコートもあると便利です。黒い地模様のある生地で少し丈を長めに作ると良いです。コートの紐を赤・黒2本作っておくと、お葬式以外の普段でも着ることができます。ただしこの場合は裏地を地味なものを選びます。寒い季節にはこのコートの上にさらにカシミヤなどを重ねて着ます。

身内の装い
5つ紋のついた黒い喪服は身内のお葬式のときに着用します。身内以外の人が黒い和装の喪服で葬式に参列すると故人との関係を疑われることになりますので避けましょう。

ただし、例外もあります。お稽古事などで先生が亡くなると社中のお弟子さんは身内と考えられるので黒い喪服を着用します。また、京都の祇園や先斗町では女将さんたちが旦那衆のお葬式に黒喪服で参列する習慣が今もわずかに残っているそうです。なお、宝塚の和服の制服は黒紋付に緑色の袴です。

参列者の装い
身内以外の一般の参列者は通夜や葬儀には色無地や地味な小紋に喪帯を締めて参列します。通夜にはグレーや地味な色の色喪帯を締めます。葬式には黒喪帯を締めます。

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色無地上級編

帯一つで印象がガラリと変わる色無地はいろいろな着回しが可能ですので、着物でお呼ばれする機会の多い方には、値段と着る回数を考えると色留袖や訪問着よりも経済的です。フォーマルな色無地を一つ揃えたら、2-3枚目の色無地は、好みの色でバラエティーを楽しみながら陰紋や花紋の一つ紋を入れるなどして少し気軽に楽しんでみるのがよいでしょう。

紋で遊ぶ
陰紋は紋の輪郭を染めたり、色糸で刺繍した縫い紋です。縫い紋の着物は、染め抜きの色無地よりもちょっと気楽に着ることができます。家紋ではなく、きれいな花紋を入れるのも素敵です。花紋は出来れば手縫いを。少々値が張りますが出来上がった紋の艶は手縫いならではのものです。

織りの色無地
結城でも色無地ならば、柄がないのでお値段が手頃です。織りの着物といっても色無地ならば紋を入れれば茶事にも着用できます。帯合わせ一つでちょっとフォーマルっぽくも、気軽にも着ることが可能です。織りのさっぱりとした感じが現代風で颯爽とした素敵な装いになります。

織りの色無地に花紋をつけ西陣の唐帯、綴れ帯などを合わせます。ただし、ベースは紬ですからあまり派手になりすぎないように気をつけます。

同じ着物に塩瀬や染め帯を合わせれば気軽なおしゃれ着になります。

若い人の色無地
十代の女の子でしたら、たとえば真っ赤な色無地に、染め抜きの紋、少し長めのお袖にいろいろな変わり帯を締めてあげたらとてもかわいらしいです。しっかりとした生地でしたら将来上から色をかけて地味な色目にして着続けることができます。

卒業式にはこの色無地にはかまを合わせることもできます。式典のはかま姿に、人気の矢羽やブーツ姿を合わせるのは普段着なので本来は不適切です。一部の女子大学では卒業式に矢羽の柄の着物の着用を禁止したところもあるそうです。

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色無地の着こなし

着物は慌てて着ようとすると汗をかくし、着崩れるし、時間はどんどんかかる...という恐怖のスパイラルにハマッてしまいますので普段のお出かけならともかく、フォーマルなお席には当日あわてないよう事前に何を着ていくかの準備をしっかりしておきたいものです。

比翼について
結婚式では比翼をつける人もいるかもしれませんが、30代を過ぎたら比翼はなしか、つけても金銀まで、あまり派手な色ものは慎んだほうがよいでしょう。却って、自分の顔の色がくすんで見えてしまいます。

帯について
色無地に合わせる帯は、織りの帯です。織りの帯とは、主に京都西陣で織られる唐織、綴れ帯、箔の帯などのことです。名物布の名古屋帯なども合います。結婚式や入学式にも相応しい華やかな装いです。茶事に参加されるときは織りの帯でも派手になりすぎないよう注意します。また、動くたびに帯がキュッキュッと絹鳴りしないよう事前にチェックしておくと恥をかきません。

草履について
フォーマルな席には、踵の高い草履をはきます。

コートについて
外出にはコートのような上着をお忘れなく。

着付けについて
着付けは紬のものと比べると少し裾を長めに着付けます。きものに合わせて、草履も踵の高いものを履くので、裾をひきずることはありません。

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初めての色無地の選び方と仕立

一枚目の色無地は、なるべく着る機会があるよう、少しフォーマルなものがお勧めです。染めの色無地は、黒留袖、色留袖に次ぐ正式なきものとして様々な場面で着用することが可能です。落ち着いた色目であれば喪帯を着けることで、身内以外の一般の参列者として通夜や葬儀の席に着ていくこともできます。

生地について
ペラペラしていないしっかりした生地のものを選びます。柄なしか、あっても離れていたら地紋が目立たず、またその地紋が慶弔使える無難な柄のものが良いでしょう。正式の色無地には四条物(よじょうもの)という通常よりも長い反物を用います。

色について
色は慶弔どちらにでも使えるしっとりと落ち着いたものが良いと思います。薄紫や、灰色や茶色がかった桃色、空色、薄茶などなど。ただ必要以上に暗い色にすることはないと思います。年齢がいって色が派手になってきたら更に色を重ねて渋くして着ることができます。

紋について
五つ紋(背縫いの中央、袖の後ろ側-左右、胸-左右)が正式ですが、これでは着物の格が高くなりすぎて着て行かれる場所が限られてしまいます。そこで現代では、一つ紋がお勧めです。紋は、染め抜き日向紋(そめぬきひなたもん)にします。紋の大きさは男物と女物では、女物のほうが小さくなります。また、男物の日向紋では白地の部分がくっきりと浮かびあがりますが、女物の着物には、中陰の日向紋と言って家紋に少し陰影がつくようにします。今日ではそういったことに配慮してくれるお店が少なくなってきたそうですので気になる方は言い添えておくと良いでしょう。ちなみに、皇居へ上がられる機会がある方、宮中では三つ紋以上だそうです。

仕立て方
普通のきものは三条物(さんじょうもの)と言って、別布で八掛(着物の裾の内側の部分)をつけますが、色無地は四条物という長めの反物で、八掛の部分をきものと同じ生地を使い"引き返し"という方法で仕立てるのが最高の格になります。"引き返し"では生地を裾できらずにそのまま繋げて折り返し、それが八掛となります。着物の裏と表が同じ生地で出来ていることになります。

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色無地とは?

色無地とはその名の通り、無地のシンプルな着物ですが紋をつけたり、帯の合わせ方によっては、フォーマルな場所に出ても恥ずかしくない着物です。着物生活を始めて、より正式な場面でも着物を着てみたいけれど訪問着は高くて着る機会もあまりないし...と躊躇している人にはお勧めです。絵が描かれていたり、図柄を織り込んでいない分お値段も手頃ですので一着持っていると活躍します。

色無地には白生地を色に染めた染めの色無地と、生糸を色に染めた織りの色無地があります。黒い喪服は染めの色無地の一種です。

色無地は紋のつけ方や、帯合わせによって、茶事、入学式から結婚式、法事まで様々な場面で活躍します。まず最初は慶弔どちらにも着られそうな少し落ち着いた色の染めの色無地を一枚。次からはお気に入りの色で、花紋を入れたり、気軽に着られる織りの色無地を揃えると良いでしょう。色物2-3枚、仏事用1-2枚ぐらいがあると便利です。

色無地は座る席で着ることが多い着物ですので、数万円の安い特売品を購入すると膝が伸びたりして後で後悔することになります。色無地はシンプルな着物ですので素材が目立ちます。フォーマルな席で着ることを考えると最初の一枚はなるべく良い生地のものを購入したほうが良いでしょう。高級品は仕立てて40万円ぐらいが目安です。生地がしっかりとしていれば、歳をとってから地味な色をかけて着続けることができ結局お得です。安い生地は、色をかけると生地が痛んでペラペラになってしまいます。

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浴衣と夏帯を購入

確定申告を終え、浴衣と夏帯を誂えてしまいました。去年出産して医療費がとても多くかかったのでいくらか税金が戻るかなぁと。

実際は暑くてなかなか着る機会がないのですが、夏にシャンと着物を着る姿に憧れてついつい夏物の着物ばかりが増えてしまいます。本当は袷の紬を何枚か欲しいと何年も思っているのですが、夏の着物は単で胴裏やら八掛がないので値段が手ごろで手を出しやすいせいもあるのでしょうか、一年の前半に沢山買い物をしてしまうので後半は渋り気味の計画性のない私です。

娘が生まれてから着物を着たのはお宮参り、夏祭り、お正月の3回だけです。もっと袖を通さなくてはいけませんね。

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